週末の日経新聞記事に、60歳代の54%が「70歳以上まで働くつもり」だと回答したとの同社郵送世論調査の結果が載っていました。一方、「70歳以上まで働くつもり」と回答したのは、30~50歳代は3割前後、18~29歳は18%と、若い世代にとっては、高齢まで働くという現実感はまだないようです。
70歳までの就業機会確保については、昨年から政府内で議論が行われていましたが、昨年(2019年)12月25日、労働政策審議会から厚生労働省に対して「高年齢者の雇用・就業機会の確保及び中途採用に関する情報公表について」と題する建議が行われ、これを受けて、本年(2020年)1月8日、厚生労働省が「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」を労働政策審議会に対して諮問しています。
70歳までの就業機会確保及び中途採用の促進に関して予定されている法改正の主な内容は、以下のとおりです。
・70 歳までの就業機会の確保を図る措置として、現行の65歳までの雇用確保措置(定年廃止、定年延長、継続雇用制度の導入)と同様の措置に加え、一定の創業支援等の措置のうちいずれかを講ずることを事業主に対する努力義務とすること
・事業主の履行確保を図るため、厚生労働大臣は高年齢者等職業安定対策基本方針に照らして必要があると認めるときに、措置の実施についての必要な指導及び助言、計画の作成の勧告等をすることができるようにすること
・常時雇用する労働者数が301人以上の企業は、中途採用者の割合を定期的に公表すること
◇ 2020年1月8日 厚生労働省 第94回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会 資料