先週土曜日(2019年9月21日)の日経新聞朝刊に掲載された「社長100人アンケート」の記事によれば、いわゆる正社員とパート・有期雇用労働者の同一労働同一賃金を求める制度に関して、「人件費が増える・どちらかといえば増える」と回答した企業が46.9%、制度整備などの対応が「完了した」企業は39.3%となっています。
大企業では来年(2020年)4月から、中小企業では2021年4月から、同じ会社で働く正社員とパート・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与、手当などあらゆる待遇について不合理な差を設けることが禁止されます。日本ではこれまで、正社員・契約社員・パート等の区別、それぞれの給与や福利厚生といった待遇の違いについてきちんと整理しないまま、なんとなく決めてきた企業が多いと思います。今、さまざまな会社の相談にのっていますが、人事担当者の方も不合理だと思うような制度や、なぜそうなっているのかわからない制度がいかに多いことか…と思います。今回の法改正を好機として、制度の趣旨や待遇の違いを社員にきちんと説明できるように準備しておくことが望まれます。
いわゆる正社員であっても、契約社員であっても、パートであっても、すべての社員に納得して気持ちよく働いてもらえれば、会社のパフォーマンスも上がると思います。人件費増を「コスト」と思わずに「投資」と考え、社員のパフォーマンスを最大限上げる観点での見直しをしてほしいと思います。