先週金曜日(2月22日)、厚生労働省社会保障審議会の第1回企業年金・個人年金部会が開催されました。人生100年時代が到来し、高齢期の長期化と就労の拡大・多様化を受けた対応が必要であることなどから、企業年金・個人年金制度全般の見直しを議論するため、既存の企業年金部会を改組して設置されたものです。
主な検討課題として、
・就労期間の延伸を制度に反映し長期化する高齢期の経済基盤を充実するとともに、高齢期における多様な就労と私的年金・公的年金の組合せを可能にする環境の整備
・従業員の老後資産の形成に向けた事業主の取組を支援する環境の整備
・働き方や勤務先に左右されない自助努力を支援する環境の整備
・老後資産の形成・取り崩しに関する選択を支える環境の整備
などが挙げられ、今後、関係団体のヒアリングを踏まえて、検討することとされています。
今回の議論の対象の一つである確定拠出年金(企業型・個人型iDeCo)は、掛金が全額所得控除の対象、運用益が非課税、受給時に公的年金等控除(年金受取の場合)と退職所得控除(一時金受取の場合)の対象になるなど、大変手厚い税制優遇があります。
2016年の法改正により、2017年1月から、国民年金加入者のほぼ全員がiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できるようになり、私自身も、公務員が加入できるようになってすぐに加入し、掛金全額所得控除の恩恵を受けています。ここ最近、iDeCoの加入者は急増しており、2018年12月現在の加入者は112.4万人となっています。しかし、その7割強は40~50代の方であり、20~30代の方は3割弱にとどまっています。iDeCoは長い期間運用してこそメリットがあります。老後の資産形成として、ぜひ若い方々に興味をもってもらいたいと思います。
◇ 2019年2月22日 厚生労働省第1回社会保障審議会企業年金・個人年金部会 資料